東北地方の訛りっていうと、語尾に「だべ」など濁音が多い、
所謂ズーズー弁だと思われている方多いと思います。
ですが、一概にそう言えないんですよ。
山形は4つの地方によって作られている県なのですが、地方によって方言が変わってきます。
その中でも特に山で分断されている海側と他の内陸部では全く違っています。
例えば語尾。内陸部の人は「だべ」や「だず」など、ザ東北といった濁音が多いの訛り方が特徴です。
一方海側は「だよの」「だなや」など「〜の」や「〜や」がつきます。
これは隣の新潟の訛りに似ているらしいです。
また大きな船着き場があったので大阪や京都から入ってきた言葉や文化も多くあるそうです。同じ県内の都市よりも何キロも離れたところの言葉が影響しているって面白いですよね。
昔は山を越えるってそれだけ大変なことだったんだなあ。って考えさせられます。
ちなみに私は海側に住んでいるのですが、内陸部の人たちが訛りすぎていて何を言っているのかわからないことがよくあります。
逆に言葉が独特すぎて内陸部の人もこちらの言葉が理解できないことが多々あるそうです。
例えば、「厚揚げと油揚げ」ってありますよね。一般的に「厚揚げ」は、お豆腐をあげた分厚いもので、
「油揚げ」はそれよりも薄いものを意味していますよね。
ですが、私の生まれ育った海側では、「厚揚げ」は分厚いですが、「油揚げ」も分厚いんです。
薄いものは「皮」と呼びます。油揚げの皮という意味です。
つまり厚揚げ=油揚げなんです。これ、山形の内陸部の人になかなか理解してもらえないんですよね。
やはり新潟でも同じで油揚げを皮って呼ぶらしいです。
またゴミを捨てることを、内陸部では「投げる」と言います。これは他の東北の県や北海道でもいうところがあるそうです。一方海側では「うだる」と言います。ゴミを投げるはニュアンスで伝わることもあるようですが、「うだる」では何を言っているかわからないって言われますね。
あと、「うるかす」はよく意味がわからないって言われる言葉です。物を水やお湯につけて「ふやかす」ような意味合いなのです。使い方としては、「(洗う前の)お皿をうるかしておけ」なんて使い方をしています。他では使わない特有の言葉だそうです。関東出身の友人に言ったら笑われてしまいました。
こう考えてみると山形では濁音が多いイントネーションが標準語と違うのが内陸部で、言葉自体が独特なのが海側ということなのかもしれません。
普段何気なく使っていますが、方言って面白いですね。