北海道の方言についてご紹介します。
【なまら】
北海道出身のタレント・大泉洋さんがよく使う言葉なので割と認知度は上がってきたと思われる方言です。標準語でいうと「とても」を意味し、「なまら寒い」「なまら美味しい」などと使います。
活用形としては「なんまら」があり、これは「とっても」にあたる言葉です。「とっても辛い」は「なんまら辛い」、「とっても早い」は「なんまら早い」と「なまら」とよりもっと強調したい時に使います。
現在ではあまり使う人は少なくなってきたような印象がある言葉です。
【〜さる】
「押ささる」「書かさる」など動詞と組み合わせて使います。意味は「自分は悪くないけど不可抗力でこうなっちゃった」といったところでしょうか。
「ボタンが押ささる」は「自分は押す意思がなかったのに押しちゃった」、「壁に書かさる」は「わざとじゃないけど壁に書いちゃった」といった具合です。
「押ささらない」「書かさらない」という言い回しもあり、こちらは逆の意味で「ボタンが押ささらない」は「自分で押してるのにボタンが作動しない」、「ペンが書かさらない」は「インクがあってまだ使える状況なのに書けない」というニュアンスです。
他県に引っ越して、新居のスイッチを押しても電気がつかなかった時に、管理人さんに「このスイッチ押ささらないんですが・・・」と言ったら変な顔をされたのを今でも覚えています。
【いずい】
これは私が他県に住んだ時に最も説明に苦しんだ言葉です。痛みがあるわけではないけど違和感がある、うずうずする、なんか変な感じがする、しっくり来ない、そういったニュアンスの言葉です。肘の調子が悪くて整形外科を受診した時、「いずい」以外の表現方法が思いつかなくて大変困った経験があります。いまだにこの言葉に関しては最適な標準語が思いつきません。
【手袋を「履く」】
これは私はずっと標準語だと思っていました。
東京出身の友人に指摘されて初めて北海道独特の方言であることを知りました。標準語で言うところの「手袋をはめる」と同義です。
北海道の方言はかなり廃れてきて、特に札幌近郊は標準語に近くなっているとは言われていますが、これは多くの道民が日常的に使っている言葉です。ちなみに靴や靴下も「履く」と言います。これは標準語と同じです。
【投げる】
ごみや雪など、不要なものを「捨てる」ことを北海道の方言では「投げる」といいます。
名詞化して「ごみ投げ」「雪投げ」と言う場合もありますが、決して「砲丸投げ」のような競技ではないのでご注意いただきたいと思います。
よく来道したての転勤族が「ごみを投げて」と言われて本当に放り投げた、と言うエピソードをあちこちで聞きます。
道民に「ごみを投げて」と言われたら放り投げずにどうかごみ箱に入れてください。
いかがでしたか?
北海道の人とのコミュニケーションでは覚えておくと便利ですので、ぜひ使ってみてください。